こんにちは、だーこまです♪
柚木麻子さんの『BUTTER』を読みましたが、おもしろかった!
寝る間を惜しんで読みたいくらいのめり込みました
夜中に読むか、読まないか格闘してたもんねぇ
隣で寝る旦那さんに悪いと思い読むのを諦めましたが、次の日起きてからずっと読んでました
はっ!気づけばこんな時間!
のめり込みすぎ!
ということで、本書の魅力をまとめていきます!
- 感想はネタバレしないように書く
- 心に残った言葉(文章)は書き記す
この本について
概要
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若く美しくもない彼女がなぜ
本書 内容紹介。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の助言に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命も変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。
2017年に刊行された1冊。
実は柚木麻子さんの本は初めて読みした
装丁画は、女性の髪とバターの黄色がとても印象的。
優しくも何か黒いモノを感じる不思議な絵ですよね。
描かれたのは原 裕菜さん。
ホームページを拝見すると、「あれっこれみたことある!」というのデザインがたくさんありました。
最近装丁画も前よりよく見るようになりました
本に合わせてどんな装丁が合うのか。
それによって惹きつけられる度合いが変わるのですから面白いですよね
首都圏連続不審死事件がモデル
2007〜2009年にあった首都圏連続不審死事件を元に書かれた本作。
本中の梶井真奈子は木嶋佳苗死刑囚をモデルにして書かれています
木嶋死刑囚については、「たくさんの男性を魅惑し死に追いやった魅力的な美女」だと誰もが最初は思ったに違いない。
でも実際はどこにでもいるような、普通の、どちらかというと地味な印象の女性。
なぜ多くの男性が彼女に魅了されたのかが話題になりましたよね。
登場人物
登場人物について触れておきます。
ごっちゃになるから、自分のためでもあるんでしょう
・・・(図星)
主要人物
- 本作の主人公
- 週刊誌「週間秀明」の記者。
- 梶井の事件が気になっており、取材を申し込んでいる。
- 身長166㎝、体重は50kg未満のスレンダーな女性。
- 首都圏連続不審死事件で逮捕された被告。通称カジマナ。
- 婚活サイトを介して次々の男たちから金を奪い、3人を殺した罪に問われている
- 趣味は食べ歩きやお取り寄せ。料理が自慢。
- 太っている
- 里佳の親友。
- 現在は結婚し専業主婦。妊活中。
- 以前は大手映画会社の広報をしていた。
- 料理が得意。
- とても小柄で華奢。
- 里佳の恋人。
- 里佳とは同期入社で文芸出版部に配属。
- 月に1度お互いの家に行けば良いくらいな、甘い関係ではない。
- 大手通信社の名物編集員。テレビにもよく出演している。
- 里佳とはたまに飲む仲で、そのときに「客」の情報をくれる。
- 離婚し、妻と娘と離れて暮らしている。
- 伶子の夫。
- 中堅菓子メーカーの営業部に勤める。
- 里佳と同じ部署の後輩
- 仕事への冷めたスタンス、早く帰ることだけを目標としたやる気を出さない姿勢は徹底している
- 里佳の会社に来年入社が決まったアルバイトの女子大生
- アイドルグループ「スクリーム」にハマっている
今回は割と頑張って書けた!
もちろん他にも登場人物はいるよ!
3つのおすすめポイント
実際の事件をモデルにしたストーリー性
今回このお話を面白くしている要因の1つは、実際にあった事件をベースに物語を作っているところだと思います。
もちろん本作の梶井とモデルの木嶋で違う部分もあります。
2人の異なるところ
読んでいると梶井の言動や抱えているコンプレックスは木嶋死刑囚も同じようにあったのかな…とどんどん2人が重なっていきました。
彼女の心の内はわかりませんが・・・
梶井について実際に殺人を犯したのかはよくわかりません。
しかしこの人やっぱり狂ってるなぁと怖く感じることが多々ありました。
こわいよぅ
現在の里佳は仕事に熱心ですが、食にはあまり興味がない感じ。
いつもコンビニ弁当、外食・・・。家で料理しません。
そんな里佳が梶井の指示のとおり行動したり、梶井のことを考えるうちに内面も外見も著しく変化していきます
一番わかりやすい変化は「太った」こと
周りからの梶井に対する批判にも擁護するする考えがチラチラ出てきます。
もうヒヤヒヤする・・・!
そしてついに里佳は梶井にこう言うのです。
「それは、私があなたを好きだから、だと思います」
本書 p152
えぇーっ!!
そこからはもう里佳がどんどん梶井にハマって落ちていくんじゃないかって怖くて、「里佳逃げて!やめて!」と思いながらのめり込んでしまいました。
あれ?読み終わってる・・・
いつの間にか時間が経ってたねぇ
とにかくバター料理がおいしそう
本書はたくさんのバター料理を知れます!
おいしそうな料理ばかり!
里佳は親友の伶子の「料理好きはレシピを聞かれると喜んで答える」という助言によって、死亡した被害者が話していた「ビーフシチュー」のレシピを教えて欲しいと梶井に手紙を送ります。
そして無事に梶井との面会ができた里佳。
初めての面会で「バター醤油ごはんを作りなさい」と命じられ、そこからはたくさんのバター料理が登場します。
- バター醤油ごはん
- たらこパスタ
- チョイス(森永製菓 クッキー)
- バタークリームとスポンジだけの、「ウエスト」のクリスマスケーキ
- バター餅
- 塩バターラーメン
・・・などなど。
料理したり食べたりしている描写が食欲をそそる!
あぁ…もう夜も老けているのにバター醤油ご飯食べたい。
お腹がすくよう
お腹が空いた時に読んだらダメ!
この料理たちが真相を紐解くキーワードにもなっているので、心を強く持って読んでみてください
他人との距離感の難しさ
里佳の変化に合わせて周囲の人たちも巻き込まれていきます。
一番大きく変化したのは里佳なんですが、親友の伶子も葛藤を抱えながら変化していきます
私はどちらかというと伶子に感情移入してしまいました
どんな私になれば、落ち着いて深呼吸できるようになるんだろう。
本書 p399
本書にはさまざまな関係が描かれて入れました。
- 親子
- 恋人
- 夫婦
- 友人
- 異性との関係・・・
他人との付き合い方、距離感て難しいですよね。
料理みたいに適量がわかれば良いのに。
この本を読んで、近しい距離の人でも本音で気持ちを打ち明けることの難しさを感じました。
でもその葛藤にとても共感します。
おわりに
『BUTTER』面白かった!あとお腹が空いた!笑
柚木さんの心理描写がとても繊細でイメージがしやすく読みやすかったです。
読む前は実際の犯罪をベースの本って生々しそうで怖いなぁと抵抗ありましたが読んで良かったです。
私たちは思ったより相手にもたれかかって、自分を甘やかしても良いのかもしれない
里佳とその周囲の仲間たちのこれからが楽しみになる1冊。
ぜひ読んでみてください
今回紹介した本
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