こんにちは、だーこま(@daakoma201103)です♪
2022年5月3日に娘さんを出産
入院した際、病室を実測したのでその記録です。
ちなみに私がこちらの病院を選んだ理由は
病院自体が新いため、最新の病院建築が体感できると思ったから
急に建築女子っぽいこと言ってる!
本病院の建物完成見学会にお邪魔した際、
今の病院ってこんなにオシャレなの⁉︎
と驚き、妊娠したらココに通ってしっかり建物を見るぞ!と決意しておりました
念願が叶ってよかったね
うん!
他人より楽しめたと思う!
出産記録はこちらからどうぞ!
建築業界は女性が増えてきたもののまだまだ男性社会。
どうしても女性が利用する空間について情報が乏しい…
ということで建築士目線で病室がどうだったかご紹介したいと思います。
平面図
まずは平面図から!
手描きで描いてみました
寸法計画で注意したいポイント
実測後、図面に落とし込むことで大事な寸法を整理できた気がします。
ここからはまずは抑えたい寸法についてです
車いすやベビーベッドが通れるスペースを
病院設計で押さえるべき大切な寸法のひとつ、車いす。
私も出産後の病室までの移動で利用しました
病院設計では車いすが通れるように廊下や病室も広く計画する必要があります
しかし、ただスペースを広くとれば良いというわけではありません
病床数で今後の病院の収益が変わりますからね
基本は多く確保したいところですな
そのため、
- 車いすの種類(電動or手動)
- 使用場所
- 介助者の有無
など実際の使い方を想定しながら計画する必要があると感じました
利用した病院の車いすの使い方
車いすの種類 | 手動タイプ |
使用場所 | LDRから病室まで |
介助者の有無 | 助産師さんの介助あり |
また、赤ちゃんをお部屋に連れてくることを想定し、ベビーベッドが無理なく入る寸法にする必要があります
基本的に車いすが通れるスペースがあれば大丈夫だよ
重要寸法をざっくり確認してみましょう
利用した病院はこんな感じ
車いす(手動)のサイズ | W610mm×D1050mm(参考:JIS規格大型) |
ベビーベッドのサイズ | W430mm×D950mm |
通路幅(病室内) | 910mm |
出入口の有効寸法 | 810mm |
余談ですが、ドアの取手が可愛かったです
メーカーまではわかりませんでした。
ご存じの方がいたらぜひ教えてください!
予想はユニオンだそうです
病室の広さはホテルの客室と同じくらい
病室の広さは約16㎡でした
病室(全体) | 15.74㎡(=5.465×2.880) | 約10帖 |
寝室部分 | 9.05㎡(=3.145×2.880) | 約6帖 |
洗面・トイレ | 2.17㎡(=1.610×1.350) | 約1.5帖 |
シャワー室(ユニット) | 0.65㎡(=0.710×1.350) | 約0.5帖 |
床面積は壁芯で算出するのでもう少し広くなります
畳数で部屋の広さを出すと途端にイメージしやすくなる不思議…
ちなみにこちらの広さはホテルの客室(シングル)と同じくらいの広さになります
ホテル客室の計画(参考)
種類 | 床面積 |
1人室 | 10〜20㎡ |
2人室 | 20〜30㎡ |
ビジネスホテル(1人室) | 10〜15㎡ |
上記の面積は建築士試験(計画)で学びましたが、確かに同じくらいの広さになると感じました
一級建築士試験に挑戦!○×問題
天井高さは2.5m
天井高さは2.5mでした
ホテルもそうですが、この高さは住宅の天井高さに近いです
6畳程度の部屋にあまりにも高い天井は落ち着かなくなるので、高くても2.5mほどが良いですね
また
- 設備機器の配管スペース
- 間接照明の計画
- カーテンボックス
などで天井を下げないといけないとなっても2.5mあれば調整が効きやすいと感じました
他人に気を遣わず利用できる個室
本病院は全個室になっています
コロナ禍でNGでしたが、家族も一緒に泊まれるような部屋が8室ありました
実際利用して感じましたが、個室だと
など、他の利用者さんに気を遣わず過ごせます
1.休みたい時に休みやすい
新生児の授乳は3時間おきに行います
ただでさえ出産で体力を使い、慣れない授乳でクタクタ…
せめて授乳時間以外はゆっくり休みたい!
誰にも気を遣わず、自分の好きなタイミングで休むには個室は最高ですよね
2.お見舞いが来た際もゆっくり話せる
今はコロナ禍のためお見舞いNGの病院がほとんどですが、家族や友人が会いに来てくれた際
わざわざ面会室まで移動するのが面倒くさい
ただでさえ身体はクタクタだもんね
しかも他の利用者さんがいるし、騒ぎすぎてないか気を遣う(もちろん個室もですが)
そのぶん個室だと赤ちゃんを交えながらゆっくりお話しやすいです
多少長く滞在しても、自分はベッドで楽にできるので良いなと思いました
3.赤ちゃんが泣いても気にならない
基本的には赤ちゃん預かりであっても、ほとんどのママさんが赤ちゃんと一緒に過ごしていました
赤ちゃんがギャン泣きしているとお隣さんにうるさいって思われていないか不安になりますよね
ましてや同室だったら迷惑でしかないんじゃ…って気にしちゃうかも。
完全個室だとその心配が少し軽減されます
ちなみに隣の部屋の赤ちゃんが泣いていても「泣いてる?」くらいで気になりませんでした
わざわざ防音をしているかは不明ですが、個室ってだけで気が楽でした
設備計画は?
照明計画は重要
まず重視したいのが照明計画です
① 就寝時直接目に光が当たらない
ベッドでくつろぐ時照明が直接目に当たれば落ち着かないですよね
ベッドの位置を意識しての照明計画は重要です
間接照明を利用することで柔らかな光が空間を照らし、リラックスしやすい環境にしてくれました
電球色というのも良かったです
② 調光機能で状況に応じて調節できる
私も知らなかったのですが、出産後は目を酷使することも良くありません
実際明るい部屋だと眩しすぎて疲れました
その為、調光機能は大変ありがたかったです
ちなみに私は日中は照明を消し、夜は最も暗い照度に設定してました
人によって好みの明るさは変わる為、せめてベッド周りは調光機能をつけたいところですね
③ ダウンライトの位置
間接照明を除き、病室の照明の数は2つでした
- お見舞いや授乳時に利用するソファの上部
- クローゼット前
特にソファ上部はベビーベッドがある位置を考えて計画しないといけません
赤ちゃんに直接光が入りにくい位置にあったので良かったです
枕元にコンセントは嬉しい
入院グッズの必須アイテムとして挙げられていることが多かったのが『延長タップ』
スマホやカメラを充電したいのにベッド周りにコンセントが充実していない病室が多いようです
私が利用した病室はしっかり配慮されてました
しかも、ニッチ内にスイッチ関係をまとめていたのでスッキリ
こういう細やかな配慮ができるかどうかが設計者の腕の見せ所だと思う!
衛生設備がきれいだとそれだけでテンション上がる
水廻りの清潔感って大事なポイントのひとつですよね
トイレが綺麗だとそれだけでウキウキ♩
毎日スタッフさんが掃除をして綺麗にしていたのも大きいですが、洗面コーナーもおしゃれにデザイン
鏡はしっかり照度をとるべきなんですが、入院中は化粧をしないのであまり明るすぎないのが嬉しかったです
なんで?
だってシミやくすみで疲れた顔を照らしたくないじゃない
…なるほど。
- 手すり
- ペーパーホルダー
- 物を置くスペース
などは実際現場で調整することが多いですが、男性ではなく女性で最終的な位置決定はしてほしいところですね
家具って大事。
ベッドは少し広めのセミダブル
ベッドはセミダブルサイズでした
- 上のお子さんとの添い寝
- 赤ちゃんの添い乳
が想定されるので少し広めのベッドにしているようです
ベッドサイズ(幅)の比較表
シングル | 970mm |
セミダブル | 1200mm |
ダブル | 1400mm |
クイーン | 1600mm |
キング | 1800mm |
まだあまり動けない赤ちゃんですが、何があるかわからないので転落防止のために壁側に寝かす必要があります
そのため、ベッドの位置は必ず壁と接するように計画しましょう
通常の病院とは違う部分だね!
特にゴミ箱!
- ベッド付近にゴミ箱や食事用デスク
- ティッシュやスマホを置くスペース
- スマホなどの充電用コンセント
設計者なら患者目線に立って何が必要かしっかり考えて計画したいものです
適材適所の収納スペース
荷物はソファに置いておくことが多かったですが、お見舞がある場合は
- 貴重品
- 洋服
- 飲み物や食料(お菓子など)
の保管場所は気をつけたいところですよね!
病院内は基本的にパジャマですが、カーディガンなどの羽織ものもあるので隠せるスペースが充実しているのは大切だと思いました
あ、トイレ貸して!
となっても生理用品やスキンケア用品をしまえるスペースをトイレ内に設けるのも必要と感じました
一点残念だったのが洗面周りにコンセントがなかったこと。
ずっと立っていると疲れやすいから、あえてドライヤー用のコンセントをつけなかったのかもしれないけどね
そういうことか!
確かにベッドに座って髪を乾かせたから楽だったよ
改めてコンセントの位置は大切だと感じました
ソファは授乳やお見舞い時に重宝
病室が個室だったというのも大きいですが、お見舞客のスペースも重要です
ゆったりとくつろげるソファはありがたかったです
また授乳時にソファは大活躍でした
なにぶん授乳に慣れていないもんで、ベッドだと難しかった
どうして?
- ソファだと背もたれがあるので長時間の授乳も楽に行える
- 近くに棚があり調乳した哺乳瓶がすぐ取れる(赤ちゃんが泣くと焦っちゃうので)
- ベッドだと暗くて赤ちゃんがラッチオンしにくかった(ソファ付近には照明があり赤ちゃんが見やすかったです)
新米ママは特にわからないことばっかりで焦ります
授乳室と違う環境ってだけで上手くできない
改めて細やかな配慮ある病院だったと感じました
おわりに
産婦人科は他の病院と違って、患者さんが実際の生活を想定し安心して利用できるよう配慮されてる印象がありました
やっぱりキレイで快適に過ごせるところがいいよね!
ステキな建築に触れ、心身ともに癒されました♪
楽しい入院生活でした
病院選びについて、
- お医者さん・助産師などのスタッフの対応
- 医療設備の充実
- 自宅からの距離
など選ぶ基準はたくさんありますが、「また利用したい!」と思える建築も重要かもしれません
もし機会があれば絶対利用したい!
設計士として、今回の学びを活かせるよう取り組んでいきたいです
最後まで読んでいただきありがとうございました
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